砂漠の月、星の姫~road to East~
第2章 第二夜【国境の月~road to east~】
「そなたは強いな」
そんなタリムを男は痛ましげに見つめた。
「それに引き替え、私はあまりにも軟弱だ。眼の前で一国が砂の中に埋もれてゆくのを見て、すべてのものに嫌気がさしてしまった。戦いもこの世での栄達も何もかもが空しいと思うようになってしまったんだ。ひとたび空しさを感じてしまったら、もう何もかもが馬鹿らしくなって、いっそ、ここで死んでしまおうかと思ったが、自分の死に一体何の意味があるのかと考えれば、それすらもまた馬鹿らしくなった」
そんなタリムを男は痛ましげに見つめた。
「それに引き替え、私はあまりにも軟弱だ。眼の前で一国が砂の中に埋もれてゆくのを見て、すべてのものに嫌気がさしてしまった。戦いもこの世での栄達も何もかもが空しいと思うようになってしまったんだ。ひとたび空しさを感じてしまったら、もう何もかもが馬鹿らしくなって、いっそ、ここで死んでしまおうかと思ったが、自分の死に一体何の意味があるのかと考えれば、それすらもまた馬鹿らしくなった」