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砂漠の月、星の姫~road to East~

第2章 第二夜【国境の月~road to east~】

 そんな男の心をも、祖国が砂に呑み込まれゆく様は動かしたというのだろうか。あれは、一人の人間の心をたった一瞬で凍りつかせてしまうほどの驚異だったのだ。
「一緒に来ないか」
 唐突に言われ、タリムは驚いて男を見た。
「一度は捨てようと思った生命だが、それもできなくて、当て所のない旅に出た。このまま旅が続くのならば、仲間がいても悪くはない」

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