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砂漠の月、星の姫~road to East~

第3章 第三夜【砂の蜃気楼】

 タリム姫は王宮の奥庭の池に浮かぶ睡蓮のように凛として、池のほとりに咲くリーラの花のごとく気高く美しい。それに引き替え、ソニンは浅黒い肌にちっちゃな鼻、そばかすだらけと悩みは尽きない。同じ女として生まれ、しかも歳もわずかに一つしか違わないのに、どうして神様はこう不公平なのかと哀しくなってしまうけれど、タリム姫ほどの美人ならば、端から見惚れはしても、妬む気すら起こらない。

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