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砂漠の月、星の姫~road to East~

第3章 第三夜【砂の蜃気楼】

 ソニンは三年前に初めて王宮に侍女として上がった。今ではうっかりしたヘマも少なくなったが、最初は年輩の女官に物覚えが悪いだの粗忽者だと叱られたばかりいたのだ。物影に隠れて泣いていることが多かったソニンに、優しく声を掛けてくれたのがタリム姫だった。以来、姫のためならば、何でもしようと心に誓ったソニンである。

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