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砂漠の月、星の姫~road to East~

第3章 第三夜【砂の蜃気楼】

「そうね、皆が懸命に戦っているこんなときこそ、しっかりしなければならないというのに、私ったら、弱音を吐くなんて、駄目ね」
 ソニンは気丈にも微笑む姫を痛ましく見つめた。姫はまだ十六才になったばかりの少女だ。いくら聡明であったとしても、幼いときから一途に恋い慕い続けてきた婚約者が最前線で戦っているとなれば、不安に思うのも無理はない。

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