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砂漠の月、星の姫~road to East~

第3章 第三夜【砂の蜃気楼】

「勿体のうございます、姫様、私ごとき侍女に、どうぞお手をお離し下さりませ」
 タリム姫に抱きしめられ、ソニンは狼狽した。
「ねえ、ソニン。一人っ子の私にとって、あなたは姉のように思う大切なひとなのよ。だから、最後に一つだけ、私のお願いをきいて。ね?」
「姫様―」
 ソニンは自分もまた涙を流していることを自覚した。

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