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砂漠の月、星の姫~road to East~

第1章 第一夜【砂漠へ~road to oasis~】

 砂漠で死のうと一人で出かけたのだが、不思議なことに、光香子は一人でホテルへと戻り、今、ここにうして生きている。だが、光香子はそのことに哀しみも感じなかった。いや、むしろ、生命を長らえたことに一抹の安堵と大きな歓びを感じていた。
 そして、もし、自分が望みどおり、あのまま砂漠で息絶えていたらと想像して、ゾッとした。今の光香子には、そのこと自体も不思議に思える。何故、自分は砂漠で死ねなかったことを残念に思えないのだろう?

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