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砂漠の月、星の姫~road to East~

第1章 第一夜【砂漠へ~road to oasis~】

 その疑問に対する応えは出せないままであったけれど、光香子の中にはこの国を訪れた直後のような喪失感も虚無感もなかった。
 光香子はルームサービスで急いでパンとコーヒー、スクランブル・エッグ、フルーツの簡単な朝食を済ませ、何ものかにせき立てられるかのように、再び砂漠へと出かけた。深い哀しみと虚しさの代わりに今、彼女を支配している感情は何なのだろうか、それは彼女自身にも判らない。

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