テキストサイズ

砂漠の月、星の姫~road to East~

第1章 第一夜【砂漠へ~road to oasis~】

 その時、突如として、誰かの声が耳奥で響いた。
―どうか、姫よ。生きて下さい。私のためにも生きて―幸せな一生をお過ごし下さい。
 光香子は懸命に何かを思い出そうとした。自分は何か大切なことを、いや、大切なひとのことを忘れてはいないだろうか。と、唐突に、意識の底から記憶がぽっかりと浮かび上がった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ