テキストサイズ

砂漠の月、星の姫~road to East~

第2章 第二夜【国境の月~road to east~】

「リーラの実に毒を仕込んだとでも? そのようなことをして何とするのだ。勘違いしなんで貰いたい。確かに私は女性、特にあなたのような美人は嫌いではないが、旅の途中で無防備な若い女性を襲うほど卑劣な男ではないつもりだ」
 男は気分を害した風もなく、淡々と言った。その口調には満更嘘を言っている風もなく、タリムは必要以上に警戒心を露わにした自分を少し恥じながら、男の手からリーラの実を受け取った。リーラの実を割るのに苦心していると、男が笑って小刀を貸してくれた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ