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てるてる坊主

第1章 一

父が帰宅したのはそれから一時間くらい後のことだった。

知らせを聞いて飛んで帰ったらしい。

こんな父を僕ははじめて見た。

僕の視線に父は何とも言えない表情をしていたように思う。

僕は父に母のことを聞かれた。

その時僕は、なんと答えたのだろう。

覚えていない。

でも、母の死を悲しんではいなかったと思う。

だって母は"てるてる坊主"になったのだから。

僕の大好きな。

その時の僕も同じように答えたと思う。

『お母さんはてるてる坊主になったんだよ』

そう言って笑った気がする。



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