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そして僕等は絡み合う

第3章 西垣 静湖の場合

「ん……えっ…。」


人見さんは、ほんの軽く触れるだけのキスを…頬にした…。


唖然としてる私に


「ピアス…付けて着てたんですね。全然見えなかったから…。」


「あっ…うん…。」


ピアス…見たかったの?


「では、お休みなさい。中々、楽しい1日でした。」


人見さんは、そう言ってアパートにスタスタ歩いて帰って行った。


「………はい?」


今のは一体、何だったんだ…。


「ちょっとっ!」


納得いかなくて、振り向いて人見さんを呼び止め様とすると


ガチャリ!パタン…。


もう、部屋に入ってしまった…。


ポツン……一人残された私…。


ヒュルルル~と、風が髪とワンピースをなびかせる。


人見さんの唇が触れた場所を指で触れると、なんだか熱くなった。


「なに…するんだ…ピョン…。」


私の行く先は、余計解らなくなってきてしまった…。

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