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そして僕等は絡み合う

第5章 南野 昴の場合

回れ右して一歩踏み出すと


「南野さんでしたよね…詞のアパートで何かあるんですか?」


柴多さんは親しげに宮脇さんの名前を出しながら聞いてきたが――――


口元は綻んでいたけど、目が笑ってない気がした。


再び高橋さんの言葉が頭を過ぎり、柴多さんと目を合わせないように視線を横に泳がせる。


「…ちょっとアパートで簡単な集まりがありまして〜至急宮脇さんのご予定を確認したかったので、突然押しかけてしまって……すんませんっ!」


それだけ言い切って、ただならぬ雰囲気に俺は一気に駆け出した。


心臓はバクバクさせてエスカレーターに飛び乗ったら、前に乗っていた人が驚いて振り向く。


「すんませんっ!」


大きな声で謝ると、怪訝な顔をされてしまった。


そんなことより気になるのは、宮脇さんと――――

柴多さんだ。


うおぉぉぉ〜!
上手く誤魔化せただろうか?


この後で宮脇さんは尋問とか受けたりするんじゃないか!?


色んな不安がグルグル回る。


頭を抱えて座り込みそうになったが、何とかそれは堪えた。

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