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僕の初恋。

第10章 もう離さない…

「…まぁ、わかったけど…でも、中途半端はキツくない?」

心配で俺が聞くと、悠人の顔がほんの少し暗くなるのがわかった。

「…だいじょーぶ……慣れてるから…」

その一言で、俺の一言なんかで
悠人の嫌な記憶…隼斗達の事を思い出させてしまった事に気づいた。

「……っ」
「…え。先生……?」

俺は自分のした事を少しでも許してほしくて、抱きしめた。

「ごめん…思い出させたよな…」
「そんな事…!!」

悠人は反論しようとしたが、俺の言葉に遮られる。

「お前が俺の悲しそうな顔見たくないんだったら、俺だって同じだ」
「……」
「無理すんなって言ってんだろ?」

どうしても認めたくないらしく、裾を引っ張って見上げてくる。

「してない…してないよ…」

なんでそんなに否定するのか、と探りを入れてみる。

「アイツらの事、思い出した?」
「…………」
「中途半端なんて、日常茶飯事?」
「…………」

泣きそうな悠人を見て、全てを包み込むように抱き寄せる。

「…大丈夫。泣きたいんだったら泣いて?もう離さない…。だから…悠人の全部、俺に教えて?」

少し戸惑いがちに口を開いた悠人は、決心したように俺の目を見た。

「………何から…?」
「うーん…最初から」
「…6月30日に生まれました」

その後、俺が聞いたのは想像よりも酷いものであった…。

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