僕の初恋。
第11章 行かないで…
「6月30日に生まれました」
「うん」
「正常に、小学校…して……」
「…うん」
段々と、悠人の瞳がうるんでくる。
声も震えてきた。
「中学生は…最悪で…」
「……」
「最初に、隼斗君に襲われ…まし、た……うっ…ひっく……中学の…春でした…っ」
我慢できなかったようで、悠人は大きな瞳から涙を流した。
言葉を紡ぐのも精一杯なのか、途切れ途切れになりつつも言い終わった悠人に、微笑みながら腕の中に誘う。
「…うん。おいで」
「うっ…ん…」
涙で服を濡らさないように、としているのか頭や肩に力が入っていたので、悠人の顔を自分の肩に押しつけた。
「…んっ……うぅっ……ひっ…く……うっ………ふぅ……ん…はぁ……っ……」
悠人は一度俺から離れて、深呼吸をしてからキスをした。
正直、驚いていた俺に微笑んだまま話を続けた。
後に、それが悠人の決心だったと言うことを知る事になる。