
旦那様と甘い日々
第4章 chapter 4
と、
「さっき男と一緒にいるとこ見たんだけど彼氏?今いないねぇ」
「っ……」
右京さん、は……電話中。
「やめてくださいっ」と声をあげても彼らは私の腕を離すことなく、そのまま腰に腕を回すとどこか知らない方向へと歩き出す。
「彼氏もこんな可愛い子一人にさせて不用心だよね。取ってくださいって言ってるようなもん」
「あ、あの……」
「なぁなぁ、やっぱり水族館回るよりここ出てカラオケ行こうぜ」
「おー、その方がよっぽど楽しそうじゃん」
右京さんは彼氏じゃなくて旦那さま。
それにわざと私を一人にしている訳じゃないのに。
どうしてなにも知らない人にそういうことを言われなきゃいけないの?
カラオケなんて密接空間につれていかれたら何をされるかなんて流石の私で分かってる。
「(やだ、やだっ…!)」
彼の方を見たいこに、腹のそこから助けを呼びたいのに。
助けてって何回も呼んでるのに……
「うきょ、さ……助けて……」
と、
「は、離せ!!」
後ろからそんな声が聞こえてきた。
