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旦那様と甘い日々

第4章 chapter 4



と、遠くで彼が電話しているのをベンチに座りながら見つめていると、「あの~」と二人の男性に声を掛けられた。


「すみません、ここの行き方分かりますか?」


彼らはこの水族館のパンフレットを持っていてその地図を私に向けながら近付いてきた。


私なんかよりも従業員さんに聞けばいいのに……、なんて答えないのは流石にあれなので私はその地図に目を通す。


先に一通り回ったお陰がすんなりと説明ができてよかった。


と、



「君さ、さっき熱帯魚コーナーにいたでしょ?」


「え、…」



キャップ帽を被った方の男性に話しかけられ、私は咄嗟に声を漏らす。
「それがどうしました?」と返事すると、



「いや、可愛い子がいるなって気になってたんですよ」


「俺たち友達の誘いできたんだけど女の子に可愛い子いなくて」


「そうそう、だから俺らとこの後回らない?」


「……っ」



あ、これナンパだったんだ。
私はサッと彼らから体を離したが一人の男に腕を捕まれ身動きが取れなくなった。



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