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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第2章 禁断の恋

 その時、明香は気付いたのだ。けして好きになってはならぬ男を好きになってしまったことを。そして、その想いは幼き日、優しかった年上の従兄に対して抱いた淡い思慕ではなく、確かに一人の異性に向けた恋情であることも。
 だからこそ、数日前、南園で王が亡き王妃に対する想いを語ったのを目の当たりにし、あんなにも嫌な気持ちになったのだ。

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