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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第4章 心のゆくえ

 柳尚宮は今度は作戦を変えた。王を動かし、影響力を与えることのできる唯一の存在、即ち大妃を頼ったのだ。孝行息子である王は、この母を殊の外大切にしている。或いは大妃であれば、王の孫尚宮への想いを断ち切らせる得るのではないかと期待した。
 が、この場合もやはり、最初からいきなり真実を大妃に打ち明けるのはまずいと考え、王の身辺―閨房が淋しいことを暗にほのめかし、幾ら側室を勧めても見向きもされないと訴えた。

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