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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第1章 人知れず咲く花

 明香は、ただ柳尚宮の言葉に黙って耳を傾けた。
「明香、どうだ、やってみぬか。ひと月尚宮をあい務めてみて、そなたがどうでも我が身には務まらぬと思えば、私もそれを認めよう」
「承知致しました」
 この場では、最早承諾するしかなかった。自分と張尚宮が似ているとは思いもかけないが、ここまで柳尚宮に諭されて、諾としか言いようがない。

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