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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第1章 人知れず咲く花

 全く、初日から考えられぬ体たらくであった。これでは、ひと月後には、やはり柳尚宮に言わなければならない。
 やはり、自分のような粗忽者には尚宮は務まらない、と。
「くどい奴だな。もう良い、下がれ」
 王は興醒めしたように言い、スと玉座を立つ。明香は平伏して、退座する王を見送った。

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