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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第1章 人知れず咲く花

「はっ、申し訳ご―」
 明香はますます畏まってしまう。自然体でいろと言われても、相手は王なのだ。気心の知れた若者同士といった感覚で向き合えるものではない。
 焦れば焦るほど、体温は上昇し、頬は熱くなる。恐らく今の自分は耳まで真っ赤に染まっているに相違ない。

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