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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第2章 禁断の恋

 しかも、こんな奥まったところまで来てしまった―。
「何者ッ」
 ありったけの勇気をかき集めて誰何(すいか)してみたものの、情けなくも語尾だけでなく身体まで小刻みに震えている。
「さて、予が誰か判るか?」
 明香はハッとした。もしや、この声は。
 しかし、次の瞬間、浮かんだ想いを打ち消す。馬鹿な、そんなことがあるはずがない。

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