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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第2章 禁断の恋

 明香が身を捩ると、目隠しはあっさりと解かれた。
 明香が恐る恐る振り向く。彼女の眼前に、見慣れた少年が佇んでいた。その端整な面には、いつものように憮然とした表情は浮かんでいない。明香は少しだけホッとして、その場に跪いた。
「申し訳ございません。殿下がご進講をお受けになっている間だけ、少し休憩を賜りました」

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