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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第1章 人知れず咲く花

 人知れず咲いて散るのが宿命(さだめ)の花。宮廷の女官を例えた言葉だ。たとえ女官として宮中入りしても、誰の眼に止まることもなくひっそりと花開き、また愛する歓びも愛される歓びも知らず散ってゆく―、それが大多数の女官の辿る運命であった。

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