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ただ愛されたかった。

第3章 第3章---"恋"---


仕事を終え、帰宅すると
彼がソファーに座りながら
煙草を加え「おう!」と
右手をかざした。

(珍しい...起きてるなんて)

帰宅時間はいつも夜中の12時過ぎ。
私が帰ると既に布団で寝ている
ような人なのに。


テーブルの上には
仕事前に作り置きしていった
ごはんの完食された皿が
置いてある。


「あ、食べたんだ!
食器洗わなきゃね。」


台所で食器洗いをしている
私を彼は見ていたのか、
食器洗いを済ませて疲れたのか
ため息をついた私に彼は
私を抱き寄せ、そして
深い深いキスをした。


「んっ...!」


煙草の匂い。

彼の匂いが私を安心させた。


「莉奈...」


そう名前を呼ばれ
また深くキスをして
ソファーに倒れ込んだ。


幸せ...と思った時だった。


「私しあ...」
「別れよう、莉奈」


一瞬時間が止まった気がした。


「俺、好きな奴いんだ。」


涙も出ない。
逆に笑えてきた。


「は?好きな奴いんだ?
冗談やめてよー」


ケラケラ笑いながら
私は冗談だと思った。


「最後にさ、一発ヤラせてよ」


その時本当に別れなんだと
分かった私は


「いいよ。」


そう答えた。

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