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案内屋 〜アンナイヤ〜

第7章 アライ ザ ほーむ 其ノ二

急に携帯が鳴って我に帰った。

凛丸はポケットから携帯を取り出し、その電話に出た。

相手は案の定、母親だ。



「もしもし母さん?」

「ちょっと、帰れないなら連絡しなさいよ。仕事が大変なのは分かるけど、こっちも心配なんだから。」

なんだか懐かしい気がする。
本当の母さんで無いにせよ、やはり母の温もりを感じる。

「あぁ、ごめん。明日には帰れるかもしれない。」

かもしれない。そう、かもしれないのだ。
この仕事はいつも終わりが見えない。

「仕事熱心なのは本当に嬉しいけど、体に気を付けなさいよ?じゃあ、また。」

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