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案内屋 〜アンナイヤ〜

第9章 パラレル いん ざ ハイウェイ 其ノ一

少しして、ハツネが玄関へと戻ってくる。

その手には何かが握られていた。

「真緒ちゃん…これは、今まで渡すべきかどうか迷っていたんだけど…。」

握られていた手がそっと開かれる。
黒い、小さな長方形の物体。

よく見るとそれは、ごく一般的なUSBメモリーだった。

「えっと…これは?」

鏡音はそれを手に取りまじまじと眺めた。

「あなたの両親が死ぬ前に遺したあるデータよ。何かの役に立つかと思って…。」

"あるデータ" 一体何が入っているのだろうか?
USBには白いペンで小さく、

「msg 01 真緒へ」

と書かれている。

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