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案内屋 〜アンナイヤ〜

第9章 パラレル いん ざ ハイウェイ 其ノ一

「真緒ちゃん。」

ハツネが諭すような声で言う。

「さ、行っておいで。大丈夫。辛くなったらいつでもここへ帰っておいで。」

夕陽が玄関に指す。
少しだけ、涙が出そうだ。

鏡音は目元を掻いた

「うん。分かった。また近いうちに帰ってくるね。」

鏡音は玄関の扉に手をかける。
左に引いて開くタイプの引き戸だ。

しかし、外に出る前にハツネが鏡音を静止した。

「あっ、ちょっと待ってて。渡すものがあったんだわ。」

ハツネは廊下を小走りし、居間へと向かう。
ガサゴソと何かを漁る音がする。

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