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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第4章 二つめの物語~梨羅の姫君~

 結局、たおやかな容貌と外見にふさわしい優しさで皇帝に愛された仙華は、実子のないまま五十年余りの生涯をこの国で終えた。仙華が亡くなり、刻は流れたけれど、彼女のもたらしたリーラの樹は見事にこの国の土地に根を降ろし花を咲かせた。
 我が身もまた、仙華や彼女のもたらしたリーラのようにこの超という国で自分なりの花を精一杯咲かせることができるだろうか。桃華はふと、そんなことを考えた。

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