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ダイタイ族

第7章 : 帰郷

1年が過ぎました。博士は三人の通訳を介さなくても日常会話ができるようになりました。ダイタイ族の事もかなり解ってきました。

博士は今までの調査結果をまとめ発表するために、日本に帰ることにしました。

「ダイタイ族の事を発表すれば、みんなびっくりするだろうな!まさに世紀の大発見だ!」

村長は博士に[テキトー]という、ダイタイ族の名前をあげました。部族の一員として認められたのです。
(ちなみにテキトーというのは[陽だまり]という意味)

同行していた通訳Aさんと通訳Bさんは、ダイタイ村がとても気にいったのでここに永住する事にしました。それぞれ[ツヤクエ][ツヤクビ]という部族名をもらいました。

博士の旅立ちの朝、村長は言いました。

「日本は遠い。こことは電話やメールはもちろん、手紙のやり取りもできない。でも、世の中の全てのものは繋がっているんだ。だから、わしとおまえが本当に心から繋がっていればどこにいても会話はできるんじゃ。」

博士は(ホントかな?本当にそうなら嬉しいな~)半信半疑でした。

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