
隣り合わせの関係
第2章 その男
『は、はい!』
ここ私の部屋だよね…?
もしかして…
「何者だ…!?なぜここにいる?
指輪を返せ…!」
あの男の人が
ちょっと怖い顔をして
立っていた
『え…あの……ごめんなさい!
ここ私の部屋で…えと…
…私、佐野宮 由衣って言います…
指輪は今外します……あれ…!!』
外れない…
指輪が外れない!!
「佐野宮 由衣…
聞いたことのない名だな
まるで人間の名のようだ
おまえはここを自分の部屋だと言うが
よく見てみろ
ここは俺の部屋…ん……ここはどこだ!?」
男の人がテンパり始めた
でも、私も指輪が外れなくて
テンパっている
