
隣り合わせの関係
第2章 その男
「おい!
そんなに引っ張ったら
指が腫れてしまうだろ!」
そういって男の人が私の手を止める
異性に触れられるのは初めてで
一気に体が熱を帯び
反射的に手を振りほどいてしまった
『あ…す、すいません…』
「そんなに謝らなくても良い
それに謝らなければならないのは
俺のようだ…
勝手に入ってきてしまって
すまない…
ここはお前の部屋なのか…?」
キョロキョロと辺りを見回してみる…
いつもと変わらない私の部屋
いつもと違うのは
数日前から
時々見えていた美形の男の人が
きちんと私を認識して
私の部屋にいることぐらい…
『私の部屋です…
でもそんな!
謝らないでください!
あの、私あなたに
言わなければいけないことがあって…』
