妄想と生きる。
第26章 彼の気持ち。
休みの日。
『会える?話がしたいから…』
私は彼に電話した。
彼のアパートへ行った。
奥さんは仕事でいないと言ってた。
いくら奥さんが不在だからといって家に行ってしまうなんて、私の行動は大胆だった。
なぜ、自分でもそんな行動をとってしまったのか、わからない。
たぶん、これが最後だと思っていたからなのか…
彼の奥さんには申し訳ないと思ったけど、私は家に入った。
ドキドキした。
…
テレビ台の上に写真が飾ってあった。
結婚式の写真…
彼が気付いて写真を裏返した。
『…ゴメン』
彼は謝った。
謝られると余計に苦しくなる。
…
私は話を切り出した。
『…もう終わりにしよう。』