テキストサイズ

妄想と生きる。

第33章 リストカット。

『やったんでしょ?』

『その子のこと好きなんでしょ?』


『違うって!!』

旦那がそう言ってるのに。

私には分かる。この人はウソが下手。
顔を見ればウソを言ってるかどうかなんて、だいたい分かる。

この人はウソなんかついてない。

そう思ってるのに。



『もう、いい!!』

私はカッターを握りしめたまま、真冬の外に飛び出した。



痛いよ…

腕の傷から血がにじんできた。


痛いよ…

心が。

その日を境に私の心はボロボロに崩れ始めた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ