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妄想と生きる。

第43章 暗闇の中で。

死ぬことを選んだのは自分なのに、私は必死にネクタイを外そうともがいた。

『何やってる!!』

私は床に落ちた。

旦那に怒られ。叩かれ、蹴られ、何度蹴られただろう。

『痛いよ…』

『痛いってことは生きてるってことだ!!』

旦那は私を本気で叱った。

その日は旦那の隣に寝た。

たぶん手を握って。

目が覚めたときも手を握っていた。



もし、あなたが居なかったら、あなたが、ぐっすり寝ていたら…

私は死んでいたかもしれない。

そう考えたら、怖くなった。

今、私は生きている。





旦那が起きてきた。

私は目を見れなかった。


抱きしめられた。

私は自分のしたことを心の底から反省した。



私はこんなに幸せなのに…

どうして死のうなんて思ってしまったのだろう…

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