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妄想と生きる。

第49章 傷。


「どこに行ってたの?」
「またメールでしょ!!どうせ、連絡してたんでしょ!!」


私はどうして、こんなことしか言えないんだろう。

後悔するのに…

「また、そんなこと言って!勝手に思ってろ!」

そんな言葉を返された。


私は、ただ、不安なだけ。

あなたのことが大好きだから。


もう、自分の気持ちを、愛情を、どう伝えていいのかもわからなかった。

旦那が家へ入ろうとした。

「待って。」

私は呼び止めた。

「見て。」

私は、そう言って、右手に持っていたタバコを何の迷いもなく…

左腕に押し付けた。

酔っぱらているせいで、痛みも、熱さも、ほとんど感じなかった。

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