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やっと、やっと…

第11章 人の夢は儚くて



体が震えた


恐怖と驚きで…





(どうして…、なんでここにいるの)



混乱して状況が理解できない






「唯に会いたかった、ずっと」




満足げに笑う圭介






怖かった



その笑顔の裏に
何が隠されているのか


私はよく知っていたから






「なんで…?

もう、別れた、でしょ?」





私は震える声を抑えながら
恐る恐る話しかける





圭介は部屋のドアを閉め
私に近づいてくる



「俺はずっと唯の事想ってた

あれから唯の事、考えない日なんてなかったよ」



愛おしげに私に近づく圭介



私の後ろには壁があって
もう逃げられない




「…や、やだ」




近づいてくる圭介を見上げ
壁に擦り寄る



「なのに唯は、

ずっとあいつの事しか見てなかった」



圭介は私の前にしゃがみ
私の頬を撫でる




「…いや」




体の震えが止まらない



圭介は私の言葉なんて聞かず
唇が触れてしまいそうなほど
顔をぐっと近づけた



そして私の唇を撫でながら言う






「どうして俺じゃダメなの?

こんなに好きなのに
俺はあいつより唯の事愛してるのに」




そう言って圭介は
私の震える肩を抱いた





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