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やっと、やっと…

第11章 人の夢は儚くて





「ずっと、こうしたかった


あいつにだってキス、

されたでしょ?」





圭介の目が冷たい




怖い



条件反射的にそう感じた



この目は、怖い








もう一度
圭介の顔が近づく







「――っ」







もう一度唇に触れる




圭介が私にキスをする







さっきよりも深く

何度も貪るように





水音を立てながら何度も何度も…






「・・・やぁ!」





ふと唇が解放された瞬間に
やっと出た声で抵抗をする




だけど圭介は



その瞬間に




私の中に舌を滑り込ませた







「――んん!」







ぴちゃぴちゃという音が
静かな部屋に響く






歯列をなぞり
私の舌を撫でる







「・・・ふぁ、やあっ」






必死に抵抗をしても
力が出ない





目尻から涙が零れる





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