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やっと、やっと…

第4章 灰色の心


―――――・・


「・・・はあ。」


(なんかだるい・・)


最近悩んでることもあって
元気が出ない

(ちょっと熱っぽいかも・・・)

もう最悪だった。
気分も体調も優れない


「ゆーい!」


放課後、部活も行かずに机に突っ伏する私に声をかけてきたのは祐香だった


「あぁ、祐香かあ」

「なんだその残念そうな感じ」


祐香は優しい
いつでも私のことを気にかけてくれる


「祐香部活はいいの?」


「私はちょっとやることあったから・・、てか私より唯の方でしょ?」


部活に行かないことは
遥には伝えてあった

遥は私の所属するバスケ部のキャプテンを務めている


「んー、部活いく気になれなくてさあ」


「唯・・、何か悩み事でもあるんでしょ?」


いつも祐香には私の考えてることなんて筒抜け


「う・・」


「図星だ。
こんだけずっと一緒にいるんだから分からないことなんてないよ?」

本当に祐香は優しい



でも、



――――・・



「最近祐香と
仲いいらしくてさあー」



・・・


遥の言葉が頭をよぎる


なんでこんなに気にしてるんだ



「なんかあったんなら話した方がいいよ?」



どうしても遥の言葉が頭から離れない


「大丈夫、だよ・・・」


なんだか祐香には話す気になれなかった


「んー、
まあ話せる子にはちゃんと話すんだよ」


「祐香・・・」


「ちょっとは自分の心配もしなさい」


そういって私の頭を撫でる


「はーい・・」


こんなに一緒にいる幼馴染が
悩み事も話してくれないなんて
普通なら気分も悪くなるだろう

だけど祐香はそんなこともなく
笑顔で元気づけてくれる



それでも話せない自分がいやだった

余計に悩む



「じゃあ私部活いってくるから!
今日は用事ないなら早く帰りなね!」


「ありがと、祐香」


「じゃね」


「また明日」


・・・


祐香の言うとおり
今日はもう帰ってしまおう



―――


制服に着替えて
学校を出る


雪が降っている


頭痛がする



綺麗な白い雪も

なんだか淀んでみえる


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