テキストサイズ

やっと、やっと…

第6章 バレンタインデー



2月14日


今日は女の子が思いを寄せる人に
チョコを贈る日



もちろん私もその一人

(とはいっても、
友達にもあげるんだけどね)


その中には男友達も含む
『柴田智己』
彼は昔から仲も良く
なんでも話せる中だった



先生たちもバレンタインデーぐらいは
学校にお菓子をもってくることを
黙認してくれていた




みんなには
チョコでデコレーションをした
クッキーを配った





大好きな人…


圭介にはトリュフを作った



圭介には帰りに渡すつもり



みんなには帰る間際に渡した


更衣室で女の子に配る
私もみんなからもらった
もはやみんなで交換するようなもの

食べきれないほどチョコを貰うのも
毎年の楽しみでもあった




智己が隣の男子の更衣室から
着替えて出てくるのを待つ


ドアの隣でクッキーを持って
待っていた




何人か人が出てくるけど
智己はなかなか出てこない


5分ぐらい待った時、



「お、唯じゃん」




智己ではなく圭介だった



「圭介!先に校門のとこで待っててもらっていい?」


「まだ帰れない?」



「ちょっとやることがあるの
ごめんね」



圭介にはバレンタインの話をしてないから
私が智己にチョコをあげることは言っていなかった

言う必要もないと思っていたのもあって
言わずにいた



「わかった!じゃあ待ってるね!」


「ごめんね!ありがと」



そう言うと圭介は
玄関へと向かって行った




その時彼が私の手元に目線を落とし
何かを呟いたのに
私は気づかなかった…






ストーリーメニュー

TOPTOPへ