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やっと、やっと…

第6章 バレンタインデー


それから5分ぐらい待つと


「あれ?唯?
圭介ならもう外だけど?」



この声は、



「智己!」




少しかがんで私の顔をのぞきこむ智己

智己も圭介と同じ野球部に所属していて背が高くて体格もいい




「智己に用事があるの!」



「お?なんだ俺にプレゼントか?」



からかうように言う智己



「そんなこと言うならなんもあげないよー」


「あーごめんごめん!
許して唯ちゃん!」



そっぽを向く私をなだめる智己
幼馴染とまではいかないけど昔からこんな感じで仲がいい



「しょーがないなあ・・
一応バレンタインだからね!」


智己にクッキーを渡す


「おーサンキュー!」


笑顔で私を見る智己
智己の笑顔は昔から可愛い



「じゃあ私行くね!圭介待ってるし!」



「わざわざありがと!圭介にも言っといて」




智己と別れて圭介へのチョコを持って玄関に向かう











(・・・あれ?)





いつもは校門のところにいる圭介が玄関で待っている





「ごめん圭介!遅くなっちゃった」





靴を履いて小走りで圭介のもとへ向かう


圭介はこちらを振り返らない



(聞こえてないのかな?)




圭介の横に立ち顔を見上げる




「あっ唯」




(気づいてなかった?)



「・・ごめん遅くなって」



「あっあぁ、全然大丈夫」




(怒ってるのかな?)

そう思い圭介に聞いてみる



「圭介怒ってる??」




「・・いや?怒ってないよ?」




なんだか様子がおかしい




「そっか・・ごめん」



「いやいや、ほんとに怒ってないから気にしないで!
それより暗くなるし帰ろっか」



「・・うん」



圭介は誤魔化すように
私の手を引く



(なんだろ、なんか違う・・)







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