テキストサイズ

花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第5章 恋花二つ目~恋紫陽花~壱

 兵太と遊ぶ約束をしていた友達は、近所の八百屋の子であった。その日、親戚に急に不幸ができたとかで、母親に連れられ実家方にまで出向くことになった。八百屋に誘いにいった兵太は手持ち無沙汰で一人、ぶらぶらと川沿いを歩いていた際、何の弾みで誤って川に落ちたらしい。或いは子どものことゆえ、川縁から魚でも探して覗き込んでいたのかもしれない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ