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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第5章 恋花二つ目~恋紫陽花~壱

―だがよ、あいつは俺と違って頭も良いし、夜書き算盤もできるみてえだから、いっそのこと、どこかのお店に奉公に出した方が道が開けるかもしれねえな。
 などと、倅の将来について語ったことがある。
―でも、お前さんは、あの子には自分の跡を継がせたがってたじゃないか。
 お民が言うと、兵助は笑った。

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