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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第7章 恋紫陽花 参

「いや、良いんだよ。とにかく、今夜はぐっすり眠った方が良い。これからのことは、ゆっくりと考えてゆきゃ良いさ」
 源治が明るい笑顔を見せて言い、お民は頷いた。
「そうだね。じゃあ、おやすみなさい」
「おやすみ」
 源治は片手を上げると、お民に屈託ない笑みを向けてから静かに出ていった。
 ホウと深い息を吐き、お民はその場にくずおれるように座った。

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