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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第7章 恋紫陽花 参

「お前を女として見てるのは何も亡くなった兵さんだけじゃねえ。俺だって、ちゃんとその中に入ってるんだからな」
「―嘘でしょ」
 眼を見開いて源治を見つめていると、源治は軽く肩をすくめた。
「じゃあ、こうしたら信じてくれるか」
 いきなり抱き寄せられたお民の唇にそっと触れたのは、熱くてやわらかな感触―源治の唇だった。

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