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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第8章 三つめの恋花  桜いかだ 其の壱 

「お前、その話を一体、どこで耳に入れた?」
「そんなことは、この際、どうでも良いじゃありませんか。要するに、私の申し上げたいのは、この世に若旦那がお考えになるような甘い、夢のような話はあり得ないってことですよ」
「何を言う、結婚とは共に惚れ合った男女がするものだろう。私は親父やお袋の言うなりに、取引先の娘なぞを妻に迎える気はない」

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