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花は月明かりに濡れて～四つの恋の花～

第9章 花いかだ　其の弐

「実はな、おれんさんのことは美空に少しだけなら話してるんだ」
　弥助の言葉が思いがけなかったのか、おれんは眼を瞠る。
「あら、いやだ、弥助さんのお喋り」
　軽く睨む真似をしてみせる女に、弥助は頭をかいた。
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