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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第9章 花いかだ 其の弐

 折を見て、近い中に、おれんと美空を引き合わせよう―、そのときの弥助の心は明るい陽差しが溢れるかのように弾んでいた。
 やがて、彼を待ち受ける残酷な宿命(さだめ)がひたひたとひそやかな脚音を立てて近付いているのも知らずに。

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