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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第12章 山茶花~さざんか~ 其の弐 

「野暮なこと言うね。今のたったのひと言で、あんたが遊び慣れてない男だってことは三つのガキでも判るよ。良いかい、夜鷹に身の上は亡しなんて訊いて、どうするの。第一、あたしが喋ったことが、全部嘘だったら、どうするつもり? あんたの気を引くために、あることないことでっち上げて、お涙頂戴の作り話をしないとも限らないんだよ?」
 千汐が揶揄するように言うと、男が真剣な表情で首を振る。

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